根が増えればいいわけじゃない?イチゴ育苗の根張りの落とし穴

QS式栽培の紹介(肥料の使い方)

育苗期、「根をしっかり張らせよう」という話、よく耳にしますよね。

実はこれ、半分は正解で、半分は見落としがあります。根が増えること自体は良いことなんですが、増えすぎた根がポットの中でどうなっているか、確認したことはありますか?

今日は、根を増やすことだけでは見えてこない、育苗期の根張りの本当のポイントについてお伝えします。

根が増えること=正解、ではない

まず、根が大事だというのは間違いありません。根は水分や養分を吸収する、植物にとって生命線です。ですが、育苗期間が長くなってきている近年、見落とされがちな問題があります。それが「根巻き」です。

ポットという限られた空間の中で根が伸び続けると、行き場を失った根が、ポットの内側に沿ってぐるぐると巻き付くように成長してしまいます。

⚠️ 根巻きが起きると

根がそれ以上健全に伸びられなくなり、苗そのものが老化していきます。クラウンが細くなったり、不時出蕾(時期じゃないのに蕾が出てしまう現象)の原因にもなります。

根が増えたかどうかではなく、
「根が健全な状態を保てているかどうか」が本当のポイントです。

なぜ根巻きが起きるのか

根巻きが起きる主な原因は、育苗期間の長期化です。最近は気候の変化などもあって、定植までの育苗期間が以前より長くなる傾向にあります。期間が長くなればなるほど、ポットの中で根が伸び続け、行き場を失いやすくなります。

チェックポイント:ポットの底

根は重力に従って下に伸びていきますが、ポットの底に達するとそこで折り返すように巻き始めます。底が白い根でびっしり覆われている状態は、すでに根巻きが始まっているサインです。

対策は「ポット抜き(断根)」

ではどうすればいいのか。対策は「ポット抜き」です。苗をポットから一度抜いて、根の状態を確認しながら、必要に応じて底の部分を整理する作業です。

タイミングの目安:8月上旬定植2週間前頃の2回

ポット抜きをすることで、巻いてしまった根に新しい発根を促し、苗の老化を防ぐことができます。地味な作業に見えますが、これをやるかやらないかで、定植後の活着や、その後のシーズン全体の収量に差が出てきます。

⚠️ 注意点

ポット抜きは、根の一部を整理する作業です。新しい発根を促すための作業とはいえ、根を切る以上、苗にとって少なからず負担がかかります。だからこそ、勢いに任せて雑に行うのではなく、丁寧に作業することが大切です。そして何より、ポット抜きをしたあとのケアが重要になってきます。

ポット抜き後が本当の勝負

ポット抜きは根を一部整理する作業なので、苗にとって一時的なストレスを伴います。巻いていた根を整理した直後の苗は、根の動きが鈍くなりがちです。この負担をそのままにしておくと、せっかくポット抜きをしても、新しい発根がうまく進まないことがあります。

つまり、ポット抜きで根にかかった負担を、いかに早くケアできるかが、本当の勝負どころなんです。

QS agriの資材でできること

土台づくり:楽農美人

楽農美人に含まれるペニバシラス属菌は、植物体内に入り込んで植物成長ホルモンを産生することが分かっています。このホルモンが新しい発根を促進し、ポット抜き後の苗を素早く立て直すサポートをしてくれます。

仕上げ:ルートパワー

特にポット抜き直後のように「根の動きが鈍っているとき」におすすめしたいのが、ルートパワーです。作物の根に活力を与えるミネラル液で、ホウ素、コバルト、銅、鉄、マンガン、亜鉛などの微量元素に加えて、オーキシンなどの植物成長ホルモンの働きをサポートする成分が含まれています。

特に根の動きが悪いとき、根が一時的にストレスを受けているときに効果を発揮する資材です。ポット抜きの直後というのは、根を切った負担で、まさにこの「根の動きが悪いとき」に当てはまります。

使い方

1000倍希釈で土壌潅水します。10アールあたり1〜2リットルを目安に、定植後も1週間以上の間隔をあけて月に1〜2回散布してください。

楽農美人で土台の発根力を整え、ポット抜きで根にかかった負担をルートパワーでケアする。この組み合わせが、根巻きから苗を立て直す一番効果的な流れだと考えています。

まとめ

  • ✅ 根は増えればいいというものではない。ポットの中で根が巻くと苗の老化・不時出蕾の原因になる
  • ✅ 対策は8月上旬と定植2週間前頃の「ポット抜き」
  • ✅ 根を切る作業なので、ポット抜き後のケアが本当の勝負どころ
  • ✅ 楽農美人で発根力を底上げし、ルートパワーで根の動きをサポート

この2段構えで、健全な根を保ったまま定植を迎えましょう。ぜひ今シーズンの育苗管理に役立ててください。

ご質問はコメント欄にどうぞ。

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それでは、次回の記事でお会いしましょう。QS agriの桜間でした。

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