【いちご栽培】葉色が悪い=肥料不足と思っていませんか?

QS式栽培の紹介(肥料の使い方)

「葉色が悪いから、肥料が足りていないのかも」——そう感じたこと、ありませんか?

実は、肥料の量は十分足りているのに、葉色が悪くなるケースがあります。原因は、肥料ではなく「pH」です。

今日は、pHが生育にどう影響するのかをお伝えします。

ある農園様で見られた、鉄欠乏のような症状

先日、ある農園様で、定植後の株に、軽い生理障害と、鉄欠乏のような症状が見られました。

葉色を見ると、新葉が黄色っぽく、葉脈だけ緑が残っているような状態です。肥料設計自体には問題がなかったため、培地のpHを測ってみたところ、7.1という数値が出ました。弱アルカリ性に傾いている状態です。

酸度計自体が経年劣化で誤差を出している可能性も考慮し、買い替えも並行して進めていますが、感覚的にも「アルカリに傾いているかもしれない」という印象は、農園様も持たれていたとのことでした。

なぜ、pHが高いと鉄欠乏が起こるのか

肥料をきちんと与えていても、pHが適正範囲から外れると、鉄・ホウ素・マンガンといった微量要素が「水に溶けにくい形」に変化してしまい、根から吸収されにくくなります。

つまり、培地の中に鉄そのものはあっても、植物が使える状態になっていない、ということが起こり得ます。これが、「肥料は足りているのに、欠乏症状が出る」というねじれの正体です。

いちごの培地・土壌のpHの適正範囲は、目安として5.5〜6.5程度とされています。

この範囲を超えて7.0以上になってくると、微量要素の吸収阻害が起こりやすくなり、収量や品質に影響が出る可能性があると言われています。

逆に、pHが低すぎる(酸性に傾きすぎる)場合は、今度はカルシウムやマグネシウムなど別の要素の吸収が阻害され、チップバーンや着色不良といった別の症状につながることもあります。

「肥料を足す」前に、まずpHを確認する

ここで大事なのは、順番です。

葉色が悪いときに、いきなり肥料を追加すると、pHが原因だった場合は、かえって状況が悪化することもあります。すでに足りている要素を、さらに足すことになるからです。

葉色不良や生理障害が見られたら、まずは酸度計でpHを確認する。そのうえで、pHが原因なのか、本当に肥料が不足しているのかを切り分けることが大切です。

酸度計そのものにも注意

もう一点、現場での気づきとしてお伝えしたいのが、酸度計自体の精度です。

酸度計は、使用年数が経つと、内部のセンサーが劣化し、実際の数値とズレが生じることがあります。「数値はおかしくないはずなのに、感覚と合わない」と感じたら、酸度計自体の校正や買い替えも、検討してみてください。

まとめ

  • ✅ 葉色が悪い原因は、肥料不足だけでなく、「pH」が原因になっているケースがある
  • ✅ いちごの培地・土壌pHの目安は5.5〜6.5程度。これを超えて高く(アルカリ側に)なると、鉄などの微量要素が吸収されにくくなる。低すぎても、別の要素の吸収阻害が起こる
  • ✅ 葉色不良や生理障害を見つけたら、肥料を足す前に、まずpHを確認する
  • ✅ 酸度計自体の精度も、定期的にチェックする

今日お伝えした内容を実際にやってみて、判断に迷うこともあると思います。そんな時は無料相談も承っています。

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それでは、次回の記事でお会いしましょう。QS agriの桜間でした。

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