苺農家さんに知ってほしい。勘に頼らなくていい【窒素濃度】を測る簡単な方法

QS式栽培の紹介(肥料の使い方)

これまで、窒素の種類や、窒素を切る・切らないという話を、何度かお伝えしてきました。

ただ、そもそも「今、株の中の窒素がどれくらいあるのか」を、実際に確認したことはありますか?多くの方は、経験や勘に頼って判断されていると思います。

今日は、窒素濃度を自分で測る、簡単な方法をご紹介します。

この記事の前提について

この内容は、高設栽培・養液土耕(元肥を使用しない、または少なめに抑える栽培システム)を前提としています。土耕栽培で元肥をしっかり施用されている場合や、緩効性肥料(ロング肥料等)を使用し追肥が基本的に不要なシステムをお使いの場合は、管理の考え方が異なります。ご自身の圃場の施肥体系と異なる場合は、そのまま当てはめず、まずは現在の管理方法を踏まえてご判断いただくか、無料相談でお気軽にご相談ください。

なぜ窒素を「測る」ことが大事なのか

これまでお伝えしてきた通り、窒素の状態は、花芽分化や糖の蓄積に大きく関わってきます。

ただ、窒素が「多いのか少ないのか」を、見た目だけで正確に判断するのは簡単ではありません。葉色が濃い、薄いという印象だけでは、実際の数値までは分かりません。

そこで役立つのが、試験紙を使って窒素濃度を数値で確認する方法です。

メルコクァント硝酸試験紙とは

ご紹介するのは、メルコクァント硝酸試験紙という製品です。使い方は、とてもシンプルです。

① 展開第3葉を採取する

イチゴの展開第3葉、つまり、芯から数えて3枚目の葉を採取します。

② 葉柄から汁を絞り、試験紙に付ける

採取した葉の葉柄から汁を絞り出し、試験紙に付けます。ペンチなどで挟むと、汁が出やすくなります。

③ 色の濃淡を見る

あとは、試験紙の色の濃淡を見るだけです。色の変化で、窒素の量を判定できます。

数分で結果が出るので、圃場で手軽に確認できるのが大きなメリットです。

いつ、何のために使うのか

この試験紙は、特に育苗期の花芽分化のタイミングで役立ちます。

窒素を下げて花芽分化を促す方法のとき

「今、実際にどれくらい窒素が下がっているのか」を確認しながら進められます。感覚だけで進めるより、判断の精度が上がります。

窒素過多になっていないかの確認

窒素が多すぎる状態が続くと、生育や品質に影響が出ることは、これまでの動画でもお伝えしてきた通りです。その確認にも使えます。

窒素の形(アンモニア態・硝酸態)と、BH1・BH2の設計の関係は、BH1・BH2の窒素の中身の記事で解説しています。

育苗期の目安数値

せっかくなので、育苗期の目安となる数値もお伝えしておきます。

時期 目安 ポイント
親株床・ランナー発生期
(6〜7月)
500ppm50ppm以下まで落ちると、ランナーの発生が悪くなるので注意してください。
育苗前半(8月)100〜250ppm苗をしっかり育てるために、一定の窒素を維持する時期です。
育苗後半
(9月上旬〜中旬)
100〜150ppm花芽分化に向けて、ここから徐々に窒素を下げていきます。
定植直前
(9月中旬〜下旬)
50ppm以上花芽分化のために窒素を低く抑える時期ですが、完全にゼロの状態が長く続くと、定植後に芽なし株になるリスクが高まります。

定植直前は、ゼロを目指すのではなく、50ppm程度は残すイメージを持っていただくと良いと思います。

なお、試験紙の測定範囲は10〜500ppmが一般的です。この範囲を超える濃度を測る場合は、精製水で汁液を薄めてから測定し、出た数値を掛け算して計算してください。

まとめ

  • ✅ 窒素の状態は、見た目だけでなく、試験紙を使うことで数値として確認できる
  • ✅ メルコクァント試験紙は、展開第3葉の汁を絞って測定するだけの、手軽な方法
  • ✅ 育苗期の目安は、親株床500ppm、育苗前半100〜250ppm、育苗後半100〜150ppm、定植直前50ppm以上

ただし、この数値だけで全てが分かるわけではありません。葉色や生育状況など、これまで通りの観察と合わせて使うことで、より精度の高い判断ができます。

今日お伝えした内容を実際にやってみて、判断に迷うこともあると思います。そんな時は無料相談も承っています。

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それでは、次回の記事でお会いしましょう。QS agriの桜間でした。

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